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外天楼 (KCデラックス)
短編集だと思って読んでいたら、
実はパズルのようにひとつひとつの物語が繋がっていた。
コメディタッチで始まったのに、
後半からどんどん暴かれていくヘビーな真相。
愕然としながら夢中で読み進めていたら、
予想外の結末が待っていて、
数ページ戻って何度も何度も読み返した。
キリエとアリオが幸せだった頃と、ラストシーンは、
しばらく何度も脳内で反芻してしまいそう。
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ネムルバカ (リュウコミックス)
ありがちな話かな?と思って読み進めていくと、
やはり、プロット自体は、ありがちな話でした。けれど。
そのありがちなプロットに
エッジを利かせた空気を出すのが石黒先生のいいところだなと。
どんなプロットにも自分の空気を出せるのが良いなと思いました。
自然な奇抜さが、佃煮の中のさんしょの実のように光る漫画です。
必要なものが、1冊の中に十分に入っている良作品です。
不自然な奇抜さを求める人には、合わないかもしれません。
必要なものが何か足りない、そんな作品の何倍も面白いです。
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それでも町は廻っている 9 (ヤングキングコミックス)
第66話〜74話を収録。
第71話「歩く鳥」がとにかく神懸っている。
構図に加え、明暗・陰影の付け方でいろいろやらかしてくれていて。
とりわけp132の一〜三コマが素晴らしく、特に三コマ目は高野文子リスペクトっぽい。
『銀河鉄道の夜』を下敷きにしたストーリーにも降参(言わずもがなだけど座成はザネリだし、p132飛ぶ鳥はカササギだろう。同じくp132の男の子は「六つばかり」で女の子は「十二ばかり」かな)。
なお、上記p132三コマ目について補足。
列車が「銀河鉄道」に見立てられているところ、その「内」と「外」との持つ意味合いは大きい。
その中で吹き出し部分(「おお 鳥が飛んでる」)を陰影及び形(上と右下の欠け方)で「内」を強調する手法も目立つ。
それと「歩く鳥」を読んだ後は5巻に戻り第38話「俺たちは機械じゃねえ」を読み返すことをお勧めしたいところ。
理由は読めば分かる筈。
他にも第67話「答砲悋気」でのエビちゃんは可愛すぎるし、べちこ焼きの話(第70話「大人買い計画」)が巧すぎるのはもう、読めばあまりにも明らか。
それと「70話で<時間SF+懐かしさと食べ物>をやって、直後に71話が来るという構成の見事さ」というのも強く言っておきたい。