自分をまもる本―いじめ、もうがまんしない
子供向けのいじめについての本。
私は自己表現が下手で、他人とのコミュニケーションがちょっと上手くいかなかったと思った途端、自分の中でああでもないこうでもないと考えてしまう悪い癖がある。そしてやっぱり自分に問題があったのではないか、と自己嫌悪のつぼにすっぽり収まってしまう。こうなったら手につけられない。ところが後で考えてみるとそんなこと考えても仕方ないのだ。それでも考えてしまう性格の人は、深刻になる前に、真剣に考えてみる。これが大事。そんな時に私がよくやるのは、本屋に行って、ヤングアダルト向けの棚をのぞく。大人向けの「xxxxな人に対処する方法」なんて読んだら最後、ああでもないこうでもない病が悪化して、ドツボの底で10年暮らしてしまいそう。
この本の著者が!いう「心の力が弱っているとき」、それはいじめられている子供だけでなく、自分に自身が持てなくなったり、強いストレスにさらされて自分にも人にも優しくできなくなったり、強い疎外感を感じたり、大人も子供にもどこでも起きる。
個別の人の対処法を学ぶことがメインではなく、今の私はどういう状況に置かれていて、そのときの自分の気持ちを理解することが書かれている。
わたしはちょっとだけ自分に優しい気持ちになりました。
文庫 お母さんはしつけをしないで (草思社文庫)
「しつけをしないで、だなんて!」と思われるかも知れません。私もそうでした。
でも現在の少年犯罪や親子の問題に日々直接向き合う著者が、一世代前とは違う今の家庭環境を熟知した上で母親に訴えかける言葉は重く、正しいと私は感じました。
しかも著者が願っている通り、この本を読んで納得できたら母親として毎日がとても楽になりました。それからもうすぐ5歳の娘のかわいらしさが心に沁(し)みるようになりました。
もちろん娘がどう育ってもいいと思えるようになったわけではありません。
一番大切なのは娘が今おもちゃをきちんと片付けることではなくて、今のこの幸せな親子の時間がゆらゆら流れていること、それから娘が将来物を大切にする大人になることではなくて、幸せに心が満たされて毎日を過ごせるようになることだと感じていられるようになったのです。
娘がいけないと思うことをしている時はちゃんと伝えます。でもそれは今までとはまるで別のこころから出たまるで別の言葉になりました。
子供がまだ生まれたばかりの時に読んでおきたかった一冊です。
でもすでに第二次反抗期に突入するなど親子関係がバトルになっているお母様達にも是非お勧めいたします。
ただ著者はこの本を読む母親が親子関係にかなり問題をすでに抱えていることを前提に語りかけているので、そうでない場合、少し違和感がある部分があります。
それでも私には、それ位の事例や説明があったから説得力があったと思えます。
読後や講演会の後に「その通り」と思ってもなかなか毎日の生活に結びつかないことが多い中、この本は力のある内容だったと思います。
子ども虐待という第四の発達障害 (学研のヒューマンケアブックス)
虐待がなぜ「権利侵害」といわれるのか。
その重大性が、脳科学的な根拠も示しながら、わかりやすく説明されています。
虐待を受けた子どもと関わる職種の人にとっては、実践で役立つ知識を得られるものです。
また、「虐待」というものが社会的にもっと広く認知されることや、制度的な対応が急務であることを
痛感させられる1冊でもあります。
社会全体にとっての虐待の怖さについても触れられているため、いろいろな立場の人が読んで参考になる
本だと思いました。