もぎりよ今夜も有難う
新聞の書評で紹介されていた時からずっと気になっていた本の1冊。
女優として映画に出演するようになってからも、映画館の「もぎり」のバイトを続けていた著者のエッセイ集。
「キネマ旬報」に連載されていたものに加筆・一部改題したものと、番外編はオールタイム・ベスト 映画遺産200 外国映画篇 (キネ旬ムック)に掲載されたコラム。
それぞれの章のタイトルは、映画のタイトルをもじってつけられている。
「もぎり」のバイトをしていた頃の思い出から、ごく最近に至るまでの映画館の想い出とエピソードは、どれもこれも著者の生真面目な性格が窺えるとともに、映画と映画館への愛情であふれている。
著者がバイトをしていた時代のエッセイを読んでいると、あの頃の映画館のニオイや音の記憶が鮮やかに蘇った。
昭和のニオイが濃厚に伝わってくるエッセイが特に面白い。
「寅さんシリーズ」が上映されていた頃の正月の映画館の熱気、劇場内が「ゲ○」の発展場だったり、おかまさんとの交流、人間国宝VS「もぎり嬢・はいり」との戦いの描写が見事。
旅先で訪れた映画館や出会った人達との交流も、情景が鮮やかに浮かぶ。
あの頃の「昭和の映画館」を知っている人、昭和の映画館に郷愁の思いがある人におすすめの1冊。
キューティーハニー [DVD]
サトエリにも庵野監督にも興味がなく、ハニ-がおにぎりでエネルギー補給という設定にも不満を持っていたが「ミッチーが敵役で出る」だけで見に行った結果「そうよー監督マニア心を良くご存じで!」が感想です。
ただ中盤のハニ-が街を歩くシーンは長過ぎたかなという気がしましたが、適度にお色気、適度におバカでオタクな映像にやられてしまいました。個人的希望としてもうすこしお色気が欲しかったかな~
フィギュアいらないからもう2000円くらい安くなりませんか(泣)ブラッククローの特典映像は両方に入れて欲しかったなぁ…そのうち通常版も買っちゃうかも。
グアテマラの弟 (幻冬舎文庫)
いろんな意味で読みやすい。
グアテマラの町の様子や人物など、つっこみどころを鋭く捕らえているが、不思議ととげのない文章だ。
中南米に一度でも行ったことのある人なら、思わず頷きたくなるような箇所も多いのではないだろうか。
かもめ食堂 [DVD]
なんていうことのない物語というか、ほとんど物語りですらないんですが
サチエの潔さと優しさが相まって、なんともいえない雰囲気を醸し出してくれます
原作は私が敬愛してやまない群ようこ先生
エッセイでは無類の強さを発揮しますが、最近、小説も書くようになりました
映画の中にも群ようこ先生のエッセンスがちりばめられていたように思います
主人公サチエを演じたのは、小林聡美さん
サチエの凛とした潔さと優しさを完璧に演じきった
この映画の主人公は小林聡美さん以外ありえない
フィンランドのゆったりした時間を完璧に作り上げたのは
新鋭・荻上直子
ほとんどのシーンがカメラ固定で
寄ったり引いたりするだけ
「あとは役者さんお願いします」みたいな撮り方
ベテランの女優さんだったから成立した作品だと思います
映画を見終わったあと、なんともいえない不思議な感覚に包まれて
しばらく動けなかった
こんな贅沢な1時間半は最近なかった