Panzer Division
レギオン(vo) モルガン・ステインメイヤー・ハカンソン(g) B.War(b) フレドリック・アンダーソン(dr)
スウェーデン出身激烈ブラックメタル。1999年6th。Mardukを代表するアルバムであり、ブラックメタルの名盤としてもしばしば挙げられる。
手加減一切抜きの激烈ファスト・ブラック。最初から最後まで、一瞬も休むことなく、全曲がブラストビートによる疾走曲という凄まじいアルバムである。
その壮絶なブラストビートと爆撃リフの嵐に混ざり、砲撃音、戦闘機のエンジン音、戦車の起動音やキャタピラ音、兵士の怒号、銃撃音といった第二次大戦当時の本物の効果音が随所に登場するなど、モルガンの軍オタ魂がこれでもかと炸裂。
凶暴にして邪悪。何が立ち塞がろうとも意に介さず無慈悲に踏みしだき、戦場を駆けぬける。ここまで濃密に、スピードと攻撃性に特化しまくった作品は、ブラックメタル界広しと言えどそうそうない。「Reign In Blood」のブラックメタル・ヴァージョンとでも言おうか。
ここまでやられるともはや爽快ですらある。聴き終えた後は嵐の後のような清々しさ。
ちなみにジャケットの戦車だが、1999年に出たオリジナル盤は英国のセンチュリオンが、2008年に出た再発盤ではドイツが誇る最強戦車、ティーガーIがそれぞれ使われている。
Funeral Marches & Warsongs [DVD] [Import]
私はこのDVDを見るまでそれほどMardukというバンドに思い入れがなかった。
確かにHeaven Shall Burn...はメロディがものすごい勢いで攻めてくるし、
Panzer Division Mardukの徹底的な重戦車ぶりは目を瞠るものがあったが、
そこまでMardukに対する思いはわかなかった。しかし私はこのDVDを見て初めて知った。
彼らの真骨頂はその凄まじいライブにあるのだと!特にポーランドでのライブの盛り上がりは半端ではない!
Wolves演奏時のオーディエンスの反応には度肝を抜かれた。演奏も異様にかっこいい!これを見た後、
まったく手に入れる予定がなかったWorld Funeralを即購入してしまった位ハマッた!ただ残念なのは
リージョンがこのアルバムを最後に抜けてしまったことだ(あとウォーも)そういった意味でも彼らの勇姿が
拝める最後のDVDなのでMardukならずとも、多くのエクストリームミュージック愛好者に見てもらいたい!
Serpent Sermon
激走曲が多いが、決して一本調子にならずにリフやリズムに工夫を凝らしている。またdoomyなパートや華麗なギターソロも織り交ぜて多彩な音楽性を披露している。普通のBlack Metalバンドがこういうことをやると散漫でひ弱な作品になるが、彼らはBlack Metal本来の攻撃性や邪悪性をしっかり保っている。たとえBlack Metalと言えども、優秀なミュージシャンが才能を炸裂させると音楽性の高い素晴らしいものを作ることができるというお手本のような傑作である。