楼蘭 (新潮文庫)
これは作家井上靖氏の昭和30年代中心の短篇小説集です。標題に代表されるように西域に主題をとった作品群が多く、この地域に関心の深い私には前から読みたかった作品です。小説というよりは史書のような趣きで、どこまでが創作でどこからが史実かとかわからなくなりそうなくらい、引き込まれます。日本の説話にまつわる作品も集録されており、磐梯山の爆発の事件に主題をとった小磐梯という作品も味わい深いです。ま、核となる作品は間違いなく楼蘭です。実際にあった楼蘭という小国の過酷な運命が描かれており、それと興味尽きない謎の湖、ロプノールの変遷も興味津々です。探検家のヘディンが発掘して世界的に知られるようになった遺跡ですが、最近ではツアーもあるようですね。私としてはいつか、訪れてみたい土地のひとつです。読後、シンセサイザー奏者の喜多郎の作品を聞きながら床に入ると一層効果的です。
楼蘭―流砂に埋もれた王都 (東洋文庫 (1))
「流砂に埋もれた王都」
なんと魅力的なサブタイトルだろう。
こういう歴史の本をゆっくりと読む、ぜいたくな時間。
人類の凄さ、探検のロマン、生きている有り難さを感じる。
こういう本を読んでしまうと、実際に、シルクロードに行ってみたくなる。
「東洋文庫」は奥が深い。
NHKスペシャル 新シルクロード 第1巻 楼蘭 / トルファン
シルクロードシリーズは歴史学や考古学の資料としても注目される、NHKが誇る名作である。2005年1月から放映が始まった「新シルクロード」は1980年に放送された旧シリーズのスタイルを踏襲しながら、25年間の社会情勢の変化と最新の研究成果を反映している。
この本はその新シルクロードシリーズ取材記の第1集で、楼蘭の小河墓とトルファンのベゼクリク千仏洞の2篇が収められている。NHKの本は幅広く親しめるように作られているものが多いが、この本も例にもれず、語り口調に近い文体によって、かなり読みやすいものになっている。またふんだんに使われた図版も魅力的で、特に復元されたベゼクリク千仏洞第15号窟の誓願図をじっくりと楽しむのは、テレビでは不可能である。文章がくどい部分があるのは否めないが、内容はかなり充実しているので、高めの値段を考慮しても十分手元に置く価値があると言えるだろう。
楼蘭
45周年記念の第2弾。楼蘭。中国シルクロードの要衝、楼蘭を喩えにした、熱き激しい恋の気持ちを歌う曲。とてもせつなさがこみ上げてくるような歌詞ですが、幸子さんのこの歌への感情表現がとても上手だと思いました。女子十二楽坊とのコラボで、中国楽器の音色がとても美しく、中国を思わせる感じがすごいです。歌のタイトルに、ぴったりした美しい、壮大な曲でした。「悲しみの帳」もよかったですが、この曲では、幸子さんの歌い方が非常に情感深い事と、中国や楼蘭の魅力や、楼蘭への思いや、恋心のせつなさがよくでているので、何度も聞き入ってしまいます。幸子さんは、どんな歌でも感情を上手に歌に込めて、歌いこなせる人だと、感動してます。幸ちゃんの歌は、何度聞いても聞き飽きません。「この地球に生まれて」の歌では、人間の持つ弱さを表現した上で、明日に生きる勇気を与えてくれるような心癒される歌でした。