バラッド3 ~the album of LOVE~
私はこのアルバムを、だいぶ前に母親から借りて聴きました。今もこのアルバムを聴きながらレビューを書いています。実は私が邦楽に興味を持ったのはこのアルバムがきっかけでした。それからサザンを含む色々なアーティストの曲を聴くようになったのです。
このアルバムは、収録曲が全体としてまったりした湘南の雰囲気を体現しているようで、聴いていて非常に落ち着けます。癒されると言ってもいいかもしれません。リラックスできるんです。
しかし一方で、『希望の轍』や『LOVE AFFAIR』と言ったややテンションの高い名曲も収録されており、そちらはそちらでまた別の愉しみを見つけ出すことができます。
また、バラッドと銘打つだけあって、バラード系の曲も充実しています。個人的に好きな曲は『逢いたくなった時に君はここにいない』、『素敵な夢を叶えましょう』などです。物悲しくなると同時に、はじめに書いたように、どこか落ち着けるのです。
もう一つ付け加えると、これはサザンのどのアルバムにもいえることですが、この値段でこれだけの曲が聴けるというのは非常にお買い得です。他のアーティストなら、これだけの曲を聴こうとすれば優に倍の値段はかかります。サザンの皆さんの、商売よりもファンの方々に曲を聴かせたいんだ!という思いが伝わってくるようです。
このアルバムを聴いて、皆さんに合った曲を見つけてください。
明日へのマーチ/Let's try again~kuwata keisuke ver.~/ハダカ DE 音頭 ~祭りだ!! Naked~(通常盤)
チーム・アミューズでの「Let's try again」を聞いた際、チャリティ目的の緊急リリースなのに、あえて“おちゃらけた面”も見せるなど、「人を楽しませてナンボ」というエンタメの世界に生きる者の「矜持」と「覚悟」を感じたものだが、一方でもう少しじっくり練りこんだら、屈指の名曲になったかもなぁという印象を持ったんだが、「桑田Ver.」来ましたねぇ!あの未曾有の惨事にあたっても、再び立ち上がっていこうというメッセージなれど、10年後・20年後の鑑賞にも耐えられる、普遍性を携えたストーリーテリングの妙に感嘆。さすがです(ちょっとベタですかねw)。
「明日へのマーチ」はCMで散々流れていた佳曲。淡々とした佇まいに割とあっさり・ありがちな曲調につき、シングルとしては弱いかなぁって思っていたんだが、恐らくはその効果を計算してのことだろうが、「Let's try again」と対(つい)の存在になっていて、お互いがあることによって、曲調も、歌に込めたメッセージもより映えるんだよねぇ。
極めつけは「ハダカDE音頭」。もうね、こんな曲を発表できるのは桑田さんだけでしょね(笑)。まぁアンチの人からしたら、おふざけもおふざけで「なんだこりゃ」だろうけどさ、日本人のDNAに刷り込まれた盆踊りのマーチ、西洋のジャズを違和感なく同居させたアレンジを聞いて欲しいね。イヤ、これ凄いよ!
ここ最近の桑田さんのシングルって、ミニアルバム風と言えば聞こえがいいが、過去の傑作群と比べてちょっと弱めの楽曲を、何曲ものライブを入れたりといった、量や企画でカバーしている感じが少し鼻についていたんだが、このトリプルA面では、我々日本人にとっての“夏祭り”の意味・意義と、被災者への「鎮魂歌(レクイエム)」を巧みにリンクさせた構成がまさにお見事ですな。ありふれた“お涙頂戴”とか“頑張ろう”を連呼していなくとも、行間から深〜いメッセージをとることができる、実に素晴らしいです!
サザンオールスターズVideo Clip Show「ベストヒット USAS(ウルトラ・サザンオールスターズ)」 [DVD]
サザンファンの集まりで延々とサザンの曲をカラオケで歌うというのをやったらこのDVDが欲しくなって買ってしまいました。
一番の見所は「KAMAKURA」のCMで赤い涙を流す明石家さんまさんです。「ミス・ブランニューデイ」は当時はおこちゃまにお見せ出来ない部分がありますが、今見ると「何でこれがお蔵入りだったのかなあ?」と思う部分が大きい。
一番のお宝映像は「チャコの海岸物語」での毛ガニさんのおぞましい女装&原坊と結婚間近の桑田さんとキスしちゃうシーンです。「東京シャッフル」は桑田さんのニュースキャスターがどう見ても昔の大江千里だし、白いタキシード着て気取っているし、大森さんの7・3分けがヘンなところがイケています。
小林克也さんの進行もいい味出しています。こういう作品はおそらく初めてだと思うので、機会があったらすべての曲のPVをDVD化して欲しいですね。
桑田さんのお仕事 07/08 ~魅惑のAVマリアージュ~(初回限定盤)
2007年12月31日、横浜アリーナの年越しライブ映像をまとめたものですが、なんと言ってもすごいのはその内容です。1曲目の「哀しみのプリズナー」からラスト「祭りのあと」まで、一気に聞かせます。ソロシングル曲もほぼ網羅(1987年〜2007年までのもの)されていますし、弾き語りの「希望の轍」も鳥肌もんです。
桑田さんの歌唱力はもちろんですが、斉藤誠氏等、気心の知れたバックメンバーの演奏も最高です。CDの音源もいいですが、やはりライブで桑田さんのパフォーマンスを見れば、いかにファンを大事にしていれるかが分かり、見ているこちら側も思わず笑顔になっていきます。
現時点(2011年1月現在)で、桑田さんのソロライブDVDでは最高傑作といってもよいと思います。