源氏物語(上)―マンガ日本の古典 (3) 中公文庫
源氏物語を原文で読むのは至難の業です。ただし、与謝野晶子や谷崎潤一郎、瀬戸内寂聴さん等の名訳(というより与謝野源氏、谷崎源氏というふうに独立したひとつの作品として読み比べてみるのも興味あります)があります。漫画もいろんな種類のものがあります。ただし、長谷川法世さんのマンガ日本の古典シリーズのものは初心者が読めば、あまり面白くないかもしれません。とは言っても、ある程度ストーリーを心得ている人にとっては、とても読み応えがあります。特に和歌がうまく配せられておりその訳も簡潔に説明されており、私は数冊読んでみたマンガの中では一番良かったと思います。マンガ物の中では、一番(マンガを全て読んだわけではないですが)原典のもつ香り(与謝野源氏を読んでの上で)を伝えてくれているように思いました。あの長編を上中下の三冊にうまくまとめたものだと感心しました。
走らんか!
博多人形師の一家をめぐる,1年間の悲喜こもごもを綴った作品。95年に放映された同名のNHK朝ドラの原作とされていますが,この本では一話ごとに主人公が変わり,その人物を視点として物語が書かれます。
駆け落ち・婿入り・ホームシックなど,家族が抱える問題を縦糸に,どんたく・山笠・放生会などの博多風俗を織り交ぜながら話が進みます。視点の多さと問題の多様さという点で「渡る世間は鬼ばかり」みたいな感じ。
登場人物のセリフはほとんどがネイティブの博多弁。これが東北や関西の言葉なら聞きなれているだけにスラスラ読めるのだけど,関東人の私としては博多弁は聞かないだけに,読むだけでも一苦労。
それでも,本州から福岡を訪れる方は,この本を読めば,現地に着いての感動も5割増でしょう。
博多っ子純情 (中学生編1)
この『博多っ子純情(中学生編)』1〜6巻は、『博多っ子純情』全34巻の最初の1〜6巻にあたります。
「中学生編」という特別編があるわけではありません(勘違いして買ってしまったのは私だけでしょうか?)
オリジナル全34巻は絶版になっていますが、「双葉社オンデマンド・コミックス」で注文できます
(34冊ともなると少々高いですが、もちろんそれだけの価値のある作品であることは間違いありません)。