悪名 DVD-BOX・第一巻
「白い巨塔」より前に「悪名」シリーズを見たお陰で、私の中では今でも田宮二郎といえばスカジャンのチンピラ、清次です。
ヤクザを格好よく見せるような映画が数多くある中、「悪名」シリーズはヤクザの世界の怖さや汚さを、堅気に戻りたくても戻れない主人公朝吉・清次の情に溢れる眼差しで描いた傑作です。
映像の美しさも絶品ですし、立ち回りのシーンは全作品リアルで迫力があって、とにかく「素晴らしい」の一言です。
このBOXセットはオマケも豪華で、各作品の公開当時のポスターと豪華ゲストのインタビューが載った解説書が付いてます。
ちなみに、第1巻のインタビューは水谷八重子、第2巻は柴田光太郎(田宮二郎の息子)、第3巻は芦屋小雁と鴈龍太郎(勝新太郎の息子)です。
毒舌・仏教入門 (集英社文庫)
今東光さんは天台宗の僧侶で法名は今春聴.「聴」を見て瀬戸内寂聴さんを思い浮かべるかもしれませんが,なんと瀬戸内寂聴の「聴」は今春聴の「聴」で,瀬戸内寂聴さんは今春聴さんの法弟子になるそうです.
本書の内容は,昭和50年8月21〜25日に比叡山の東南寺で行われた戸津説法を文字に起したものです.タイトルは『毒舌・仏教入門』ですが,毒舌ではなく率直な意見を漫談風に語っているだけで,また,内容は仏教の入門ではないため,タイトルは『漫談・戸津説法』の方がシックリきます.
感銘を受けたのは,法話もさることながら,難解な仏教の研究をしつつ,その真髄を一般の人々に解り易く伝えようとする今東光さんの姿勢です.その姿勢は仏教に限らず学問を志す者全員が見習うべきだと思いました.
毒舌日本史 (文春文庫)
博覧強記で毒舌家の元中尊寺貫主が語る、雑談交じりの教科書には載らない日本史の話。
今東光ならではの日本史裏話が次々に語られ、「えっ、そうなの?」という言葉が自然にでてしまう。ひょっとしたら専門家には良く知られた話なのかもしれないが、少なくとも私は今まで聞いたことがない話ばかりだった。
「古事記の『蛭子』とは蛭のような子のことではなく、天照大神の兄という意味だ」、「藤原家の人々の祖先は鎌足ではなく不比等、そして不比等は天智天皇の御落胤だ」など、興味深い話が満載。中には「ここまで断言していいのか?」という話もあるものの、日本史への好奇心は否が応にもかきたてられる。
味気ない日本史の話にはもう飽きた、という人にお勧め。
毒舌 身の上相談 (集英社文庫)
いやホント、頼みます集英社さん。抜粋でもいいんだけど、やっぱ三冊の完全版が読みたい。
狂った言葉狩り、揚げ足取り、バカ大人にクソガキ、売国に国粋、スピリチュアルに全体主義などなど、
クソムシが増殖・横行する今の日本だからこそ、改訂などせずに当時のまま復刻して欲しい。
現在の日本がいかに生を否定しているか。死に体の日本と日本人にガツンと一発、和尚の喝を入れたれ!
これほどの巨人は、もう日本には金輪際現れないだろうな・・・