えがおのはな(NHKみんなのうた)
TVで"聴いて",某デジタル配信で買い,聴いてます。
良い歌です.可愛い歌です.綺麗な歌です。
Aメロと云うのか,最初の方は上野樹里さんの"のだめ"っぽい甘え声のような感じで,サビに近づくにつれ透明感と伸びのある素敵な歌声に変わっていきます。
上野さん自身の作詞作曲と云うことで,なかなか良いセンス(才能)をしていると思います。
いわゆる「(わりと批判される)最近のJ-POP」の方々よりもずっと良い歌を創っています。
しかし,このわずか2分26秒の歌を800円のCDで買うか? と云われたらちょっと懐に余裕がないと手が出せません。
曲の時間当たりでCDの価値が決まるわけではありませんが,カラオケ(インスト)も入れて約5分。
ジャケットに上野樹里さんのヴィジュアルも無いですし,「みんなのうた」の映像DVDなんかも無し。
さらにデジタル販売もされている以上,CDのみでは高いと感じます。
と,云うよりも,そもそもCDで売る気はあまりないのかもしれませんね。
上野樹里PHOTO BOOK 「A PIACERE」
上野樹里は好きだが(好きだから買ったのだが)、だから何でも肯定するという程では全然ないファンでしかない。
上野樹里は、本質的にはあかるくない、というか根暗な娘、あるいは真面目な娘なんじゃないかと思わなくもない。この写真集でもその方面の魅力がよく出ているように思う。つくっていない、飾らない、と言ったら表現は陳腐だが、少なくともわざとらしさはほとんど感じないこの写真集のつくりは、ファンには満足出来るものだったのではないかと思う。
一見突き放すような眼差しもなんとも曰く言いがたいこの人の真面目な部分の投影なのではないかと、そう思えるような写真があって、個人的にはその一葉が一番好きだ。
根暗なことは(と勝手に独断しているが)、べつに悔やまれることではない。むしろもっと深めたらいい。そうしたら、演技にももっと幅が出て来るやも知れない。
上野樹里 ao akua(アオ アクア) [DVD]
女優ではなく表現者上野樹里のデビュー作になるのではないか。画面のあらゆるところに彼女と支えるスタッフの作る喜びが感じられる。結果としてそれが私たちに幸せな気分や人生を見つめ直すきっかけを与えてくれる。構成もバラエティー豊かで飽きさせない、インタビュー部分も重要なところがしっかり入っている気がする。エンターティメントとしても楽しめる。マウイの色彩、風景の美しさ、現地の人々の表情、お宅訪問時のファン家族の優しさなど、上野樹里以外にも小さな感動をたくさんもらえる作品。女優以外にも才能持つ彼女が将来どのような表現者になって行くのか非常に楽しみ。
キラー・ヴァージンロード フルスロットル版 [DVD]
公開初日に観てきました。岸谷監督の漫画的でグロテスクな映像表現に対しては、はっきりいって好悪分かれると思いますが、もし実際にあったなら実に深刻で陰惨な事態を、これだけキッチュにブラックな笑いに包んで見せてしまう腕前は映画監督デビューとは思えないものだったと思います。そして、何といっても上野と木村のコンビのよさが光っていました。コンプレックスだらけで、唯一可愛がってくれた、そして余命いくばくもないおじいちゃんの「小さな秘密」を知っているから、なんとか喜ばせてあげるために、自分の花嫁姿を見届けて欲しい。そんな思いの「結婚したい女」ひろ子を演ずる上野樹里。それに、男運に恵まれぬ悲劇への自己陶酔耽る、「死にたいけど、死にたくない女」小林に扮する木村佳乃。その二人が偶然出遭って起こるぶつかりあいや、二人のあいだに生まれる曖昧な友情と連帯感みたいなものを描くなかで、両者の役として、女優としての個性がとてもよく出ていて、面白くみられます。特に上野樹里さんは、やはり凄い。冒頭のお局様役の高島礼子を前にみせる、「どん尻びり子」の面目躍如ともいうべき、しまりのな〜い、ドン臭い笑顔からはじまって、本当に変幻自在な演技にはずっと目を釘付けにされます。あの一所懸命な「ゴリラバタフライ」のシーンといい、ウェディングドレスを着て猛ダッシュするシーン、それに前後した小林との別れと、おじいちゃんとの悲しい場面、そのひとつひとつが本当に手抜き無しに作りこまれた強烈なインパクト。これは文句のつけどころがありません。しかも、ひろ子と小林のふれあいを通じて、お互いが自分自身を顧みて「人とのつながり、関係性」とか「幸せ」といったいテーマについて気づいたものが何だったのか。全体のハイテンションでどぎつく、ブラックな枠組みのなかにあっても、しっかりと伝わるもの、心に残るしんみりしたものがある。これは、脚本や構成の巧さと、この上野、木村の名コンビのみせた化学反応のすばらしさにつきるのでしょう。あと、本篇後のエンドロールの最後の最後まで観てください。
サマータイムマシン・ブルース [VHS]
2001年初演、劇団ヨーロッパ企画の同名戯曲の映画化。
ある日、大学のSF研究会の部室に「タイムマシン」が突如出現!!
しかし、思いついたタイムマシンの用途は、壊れたクーラーのリモコンを昨日から持ってくることだけ。
それでも過去を変えたら、自分たちも消滅する?というタイムパラドックスを阻止するため、大奮闘。
未来や大昔にトラベルするのではなくて、SF研+写真部の数人の登場人物が、
昨日と今日の部室を行ったり来たりするだけ(+α)というごく限られた内容の「タイムトラベル」もの。
「クーラーのリモコン」がたどる時間軸の説明が、非常にクリアー。結局歴史は変えられない?
おおげさな内容ではなく、ごく身近なエピソードだけで、十分SFしているところが非常に面白いです。
いろいろと張られた伏線も効いており、脚本が良くできています。
また、数々の小ネタも登場し楽しめます。(そのなかでも「ビダルサスーン」の印象が強烈。)
原作の演劇もDVD化されており、映画で描かれた部室の外の出来事が、舞台ではどう処理されていたかなど、観比べるのも一興です。
よく言われように、大掛かりな仕掛けや費用がなくても、脚本が面白ければ面白い映画(あるいはSF)が創れることの一例です。