放射能で首都圏消滅―誰も知らない震災対策
今後30年に「東海地震」の起こる確率は87%。そしてそれと同時に連動して起こってきた「東南海」、「南海地震」はそれぞれ60%、50%と政府の「地震調査委員会」は打ち出している。一般に「原発」というものはM6・5を想定してそれに耐えられるようには設計してあるそうだ。しかし、「東海地震」は過去に起こってきた12回そのほとんど全てがM8・5レベルだ。一説によるとスマトラ島沖の巨大地震のように、南西諸島まで連動して破壊の恐れさえでてきている。そのエネルギーの大きさはM9と専門家は予測しているのだ。M9とは、阪神淡路大震災の1000倍である。こんな化け物のような巨大地震に日本の原発が絶えられるわけがない。
この本は、全ての日本国民に読んでもらいたい貴重な一冊だ。そして、全ての罪のない子供たちを守るためにも「浜岡原発」はなんとしても止めなければならない。
原発のウソ (扶桑社新書)
とてもよくわかりやすい本です。ぜひ手にしてみてください。
従来の「反原発」関連だと広瀬隆さんの著作が有名でしたが、「イデオロギー」を感じて敬遠していた方も多いかもしれません。
科学者である小出さんはそのような「色」抜きで伝わってきます。(扶桑社=フジサンケイグループの発行という点にも注目)
原子力研究者である小出さんが「起こって欲しくなかった現実」をまとめ、どのようなことになるのかを書いた本。
現在進行形の事象をまとめたものなので、「その時点で公表されたデータ」に基づく書籍が多い中、この本は全然古くなりません。
11月になって出てきた計測値は(残念なことに)小出さんの推測に当てはまっています。
事故になってしまったという事実から目を背けず、どうすれば良いのかということを深く考えさせられた一冊です。
原子炉時限爆弾
センセーショナルな記述が無いとは言わない。しかしそんな些末な指摘を片隅に追いやって余りあるほどの深さと広がりのある情報を提供してくれている。
東北関東大震災直後、福島第一原発の今後の予断も許されないまさにこの時こそ、国内に多数存在する原発および放射性廃棄物処理施設について、日本全国民はこれを読み、現状と過去の事実を理解し、オイルショックを追い風に発展させてきた我が国の原発の在り方について、推進派、反原発どちらでも構わない、総力戦で考え始めるべきである。
ご存じの通り、著者は数百年にわたるロスチャイルドの血統をあつかった「赤い楯」で、気が遠くなるような精密な調査手法を展開し、独特のドキュメンタリースタイルを確立した。この書でもその姿勢は基本的に踏襲されており、第二章 地震と地球の基礎知識において、地球科学の学問的発展、そしてそれを受けて国内の法改正、耐震基準改正の流れをおさらいしてくれている。
原発工学関係者が著者のことをど素人扱いするようだが、本書でわかりやすく解説されているように、原発の立地場所が安全か否か、判断するに最も重要になる見えない地中の構造を知るには地質学、地震学、地球科学のみならず変動地形学、生物学、考古学、火山学、歴史学者といった信じられない位裾野の広い様々な学会からの研究者の知恵がもとめられるという。
今一度原発関係者は謙虚に工学者としての原点に立ち返り、自分たちは工学的判断のごく一端を担う存在でしかないことを認知するべきであり、本書で指摘された無数の問題点・疑問点について、ロジカルな回答を用意して欲しい。
人は皆「自分だけは死なない」と思っている -防災オンチの日本人-
タイトルに惹かれて、数ある災害マニュアルの中から、この本を手に取りました。
しかし読後感想は、【単なる防災マニュアル本などではない】、という事でした。
家庭の防災バッグに一冊入れておけば安心ですよ、という類の本ではなかったのです。
実際に「災害」が起こった時に、過去に人がどういう行動を起こしたか
そして、それは何故だったのか、を淡々と心理学的に分析していき、
では、どうしていくべきなのか、どうすれば良かったのかまで
非常に分り易く、かつ簡潔にまとめられています。
難しい言葉も出てきますが、要所ごと同ページに解説がなされており
決して内容が難しいと感じる事はありませんでした。
災害とはいつでも自分の身に降りかかる可能性がある、という事は
平和ボケしている昨今の日本人にも自覚があると思うのですが
なかなか対策までに至らないのが実情です。
しかし、この本を読む事が非常に有効な動機付けになるのでは
とも思いました。
多くの命に関わる、学校関係者や公的機関、病院職員の方に
特にお勧めしますが、絶対に自分は生き残りたいという方にも
是非お勧めしたい本でした。