世にも奇妙なマラソン大会
似たような表紙の「辺境の旅は〜」なんかより断然クオリティが高いです。
何でこんなに一冊ごとの出来にバラツキがあるんだろう。
表題作は、シリアスな民族問題と無謀なマラソン初挑戦話というふたつの要素がクロスする瞬間がたまらない。
本当に人生ってワンクリックで変えることができるんだなあという感慨もある。
投薬バイトの話は、皮肉なことに高野さんが昔書いた小説よりもずっと深みがあって、いい短編小説を読んだ読後感がある。時期的にはワセダ三畳青春期で書かれていた時期の後半くらい。切ない話。
名前変更物語は、「怪魚ウモッカ」の後に読むことをオススメ。
本人は真剣なのに笑うしかないという、どれも高野秀行(しゅうこう)さん独自の味わいに溢れた一冊です。
意味もなくポジティブになれる。人生のネガティブな要素を集めて勝手に人生を生きづらくしている本がありますが、この本は逆ですね。この無意味さはカッコイイです。
アフリカ「裏」旅行―サハラ砂漠を縦断せよ
私はアフリカに行ったことないので、これを読んで行かずにはいられなくなりました。
アフリカにしかない面白さというのが書かれていると思います。
ただ、裏というにはそこまでエグイ話がかかれていなかったので、
星3つにしておきます。
しかし読み物としても面白いし、経験としてもなかなか良い経験をなさっているのだなと感じました。