パスト・イン・ディファレント・ウェイズ
アルバムを通して聴いた感じだと、良くも悪くもキスクですね。
今のキスクにメタルを期待しても仕方ありませんよ!
HELLOWEENを聴きたいならオリジナルを聴けば良いし…Keeperの続きを望むなら
AVANTASIAでも聴くべきです。
本人も言っていますが、今作に収録した曲はHELLOWEENでも、キスク本人のみが作曲したナンバーを選び、そこから装飾を取り除いた形でオリジナルと対極にあたるアコースティックに拘ったそうです。 またオリジナルが最高にロックしているからとも言ってます。
よってHELLOWEENのセルフカバーと言っても、カメレオンからの収録曲が大半を締めていますし、サプライズ的な事は一切ありません。
しかし、私にはどの曲も輝きを失ってはいないと感じますし、本当に17、8歳でかいた曲とは思えません!!
むしろ現在のキスクの持ち味である中音域の歌声を生かしたアレンジや、オーケストレーションの導入などにより、当時のバージョンを越えている楽曲すらあると思います。
アレンジはかなり変わってはいますが、#1のYou Always Walk Aloneでのメロディーの歌いまわし、より壮大観の増した#3 I Believe、エンディングで劇的に盛り上げる#4 Longing、アコースティックでのロックンロールに進化した#6,9 Kids of the Century、A Little Timeなど聴き所は満載です。
またWe Got The Lightのソロでのユニゾンを残した所などに、キスクなりのHELLOWEENへの敬意を感じることも出来たりもします。
新曲である#11もキスクらしいナンバーですし、国内盤はボートラとして#12にも新曲が収録されています。
何度も言わせていただきますが、これはHELLOWEENのアルバムではありません!
MICHAEL KISKEのソロアルバムですよ!!
ミュージシャンならば進化するのが当然ですし、彼が再び過去と向き合ってくれたことに敬意を表したいです。
彼のソロ作の入門として間違いなくお勧め出来ると内容だと思います。
このアルバムを聴いて失望したと言う方は、もはや彼のファンとは名乗らないで頂きたいです…