今夜、宇宙の片隅で(3) [VHS]
パソコン通信(多分当時はまだこう言ってたはず)で、飯島と西村が対話して、飯島の方は西村だということを知らずに好意を寄せていて・・・という話が収録されてるのは、この巻だと思う。
真相がバレていくプロセスが最高に面白い。
「ここがヘンだよ、日本人」にも出演の、オーストラリア女性ミシェル・ガゼピスさんが出てるというのは、あとで知った。
フジテレビ系木曜劇場「今夜、宇宙の片隅で」オリジナル・サウンドトラック
『今夜、宇宙の片隅で』とは、フジテレビ系列で放送されていた連続ドラマで、アメリカで60年代に作られた映画『アパートの鍵貸します』をモチーフに作られた、と三谷さんが喋っているのを聞いたことがあります。あのムード高まるドラマ作り・風景はまさに50,60年代のN.Y.を象徴しています。私は夢中で見ていたのですが、どうやら低視聴率だったようで…(^^;)
とにかく、メイン・タイトルの『Someday Somewhera』は必聴!!。
今夜、宇宙の片隅で
西村雅彦、飯島直子、石橋貴明のほぼ3人劇で、わたしはテレビで見た後、ビデオで2回も借りてこのドラマを見た。三谷幸喜の作品では珍しいラブコメだが、西村雅彦演じる耕介がとてもせつない。真琴(飯島直子)しか見えずに周りが見えていないため、しくじりどおしなのが笑えて悲しい。特に真琴似のコールガールを部屋に呼んだ際、自分に恥じ入りドアの前で、できない英語で「Go Home!!」と叫ぶシーンは感動だった。このシナリオ本は映像とだぶらせて読めるのでよい。
三谷幸喜の作品の中で一番好きな本だ。
今夜も宇宙の片隅で
児童小説家、笹生陽子の一般向け小説。
怪しげなクスリをネットで買おうとした中学生の岩国は、それを売ろうとしていた小学校の同級生でワルの相沢と再会してしまう。それ以来、相沢とその友だち御園との三人の関係がはじまり……。
読み始めると止まらない。というか、ぐいぐい読まされて、気づくと本が終わっている。そうさせられてしまう作家というのがいる。
僕にとっては笹生さんはそういう作家だ。
単純に「読ませる力」作家の力量が凄いんだとも思う。
このお話は一般向けではあるものの、やはりどこか児童小説の匂いがする作品だ。そして、その匂いは決して嫌味なものではない。
ワルと呼ばれる男の子にだって「いい面」は確実にある。ヤクザと呼ばれる人たちも同じ。そして、誰だってそのいい面と付き合えれば、相手のことを嫌いになったりはしない。
そういうことを押し付けではなく、作品は自然と語ってくれる。
もともと、笹生さんは人物造形がとても上手な人だ。そして、この作品でもその傾向は存分に生かされている。
とにかく、読み終わって暖かい気持ちになる。登場人物ともう少し一緒にいたくなる。
これはもう才能なんだと思う。
この人の書くものが僕は大好きだ。
※章立てで主人公が変わる物語の展開は、面白いものの、この人の作風にはちょっと合っていないかもとも思った。ストレートに一本の物語を進めたほうがもっと面白かったのではないだろうか。
※もうひとつ。昔やっていた三谷幸喜さん作の「今夜、宇宙の片隅で」というドラマと何か関係があるのでしょうか。不明です。