Queen's Fellows: yuming 30th anniversary cover album
どの曲もアレンジがかなり意識的に変えられていて、最初ちょっと違和感があったのですが、聞けば聞くほど原曲にはない味が出てきます。素材(原曲)のよさなのか、個性的なシェフの腕なのか?
一番のお気に入りはaikoの「セシルの週末」。これ、なぜかちょっぴり涙腺に来る味つけ。驚きの一曲は「コバルトアワー」。ボーカルの出だしで思わずノックアウト、ミスマッチ度がはまります。あと田島貴男の「時のないホテル」の暗いグルーヴ感、点描のような大貫妙子の「私のフランソワーズ」など、いろんな味が楽しめる、まさにチャイニーズスープな一枚です。
椎名林檎が再録だったのと(残念!)ジャケットが意味不明なので★は4つ。
N/S EYES ON Volume.01 (SE-MOOK)
表紙がGacktさんということで買いました。
巻頭42ページの写真とインタビューです。
写真は、落ち着いた雰囲気でとってもいいです!
日本庭園など…青からグレーのしっとりしたものばかり^^
LIVEからの写真もありますよー
インタビューは、なんだか少し切なくなります…
こんな風に考えることもあるんだね…みたいな
確かに穏やかで静かなGacktさんが見えます
紙も厚いタイプのもので、買って損はないでしょう
何度も何度も見たくなります♪
生きてるうちが花なのよ 死んだらそれまでよ党宣言【DVD】
「生きてるうちが花なのよ 死んだらそれまでよ党宣言」、長いタイトルである。毛沢東の文化大革命時代の紅衛兵のある集団名から取ったと言われるこのタイトルを聞いて、人はどんな映画を連想するのか?。
「略称・党宣言」とも言われる今作は、日本映画では極めて稀な原発ジプシーと呼ばれる原発作業者たちの過酷な現状と原発の闇をえぐり出した作品として、反原発の気運高まる昨今、その評価が高まっているよう思える映画である。
だが、ちょっと待って頂きたいと映画ファンの端くれとして言いたい。
確かに、今作の主人公原田芳雄はやくざくずれの原発ジプシーとして登場。彼をフィルターにして描かれる彼らを巡る劣悪な作業環境と過酷なピンハネ、安全度外視の危険作業にやくざの釜が崎からの作業者一本釣りなど世間ではタブー視されていた部分がたっぷりと描写されているが、だからと言って、今作はただの社会派映画では断じてない(ある側面としてはもちろんあるが)。
ここで蠢いているのは、原発の町に肩寄せ合い集まっている人々。即ち、ドサ廻りのズ―ド・ダンサー、やくざ、暴力団から逃げた少女、フィリピンからの出稼ぎ娘、不良中学生と教師、そして原発ジプシーたち。
彼らの悲喜こもごもの日常を、活劇、恋愛、人間ドラマと言った映画的な味付けも盛り込みながら、いかにも森崎東らしい猥雑でパワフルな喜劇としてダイナミックに描いているのだ。
原発ジプシーだけでなくじゃぱゆきさんも取り上げられているが、威光高にメッセージを発している訳ではなくて、飽くまで底辺に生きる人たちへの人間賛歌になっている。
題材が題材だけに、製作会社、配給会社が何年も中々決まらなかったと言う辛苦を背負った映画だが、原田芳雄以外にも倍賞美津子、梅宮辰夫、平田満、泉谷しげる、左とん平らの豪華出演陣が参加。
その年のキネ旬ベスト10にもランクインされた傑作。60年代から松竹で山田洋次と並んで「男はつらいよ」シリーズを手掛けながら、反公序良俗的な要素を以て、山田のアンチテーゼと称された森崎東節を、是非堪能頂きたい。