The Book of Nothing
題名からして宇宙物理学のみの内容かなと思っていましたが、前半部分は主に「無」や「ゼロ」の概念に焦点を当て、文化人類学的アプローチをとっています。
なぜあれだけの論理学や哲学に華やいだギリシャで「ゼロ」というものが生まれなかったのか。また、マヤ、バビロニア、インドでの「ゼロ」の概念の違いはどういうものなのか。それぞれの宇宙論を背景にした宗教的、哲学的な「無」や「空」というコンセプトを説明しており、なるほどと思うことが多くありました。
後半は数学、物理学の面から「無」を斬ります。それぞれが一般読者向けに描写、解説してあるので比較的分かりやすいものでした。
やはり宇宙は大きな謎と好奇心をかきたててくれるものです。
宇宙がどのように拡大しつつあるのか、一体いくつ存在するのか、始まりと終わりはあるのかなど、あくまで仮説ではありますが、大変面白いものでした。