慈雨の音―流転の海〈第6部〉
流転の海は第3部から発売と同時に読み始めました。それから10年以上がたち、やっと第6部に・・。
前作よりも、さらに落ちぶれてしまうのではないかと、正直かなりの覚悟を持って読みましたが、
今回描かれていたのは、オリンピック景気に沸く上り調子の日本のなかで(凋落の予兆は見られるものの)平穏に暮らす熊吾一家の姿でした。
伸仁が中学生に。房江は子の反抗期に悩む親となります。
私もこの15年のうちに似たような年齢を持つ子の親となり、以前は熊吾の魅力的な人間性に惹かれる部分が大きかったですが
房江の気持ちに共感するように自分が変化しているのに気付きました。
前作から数年経っていて、人間関係を多少忘れがちだったので、再び人生の扉を回転させていく登場人物たちに慣れるまでに時間がかかりました。
それでも、最近若い作家ばかり読んでいたので、久しぶりの宮本氏の繊細で緻密な文章は流石!文章の一つ一つに、読み手への強烈なメッセージを感じます。
人生を生きていくうえで、本当に必要なもの・大切なことは何かこちらがバトンを受け取って考えることのできる私にとって数少ない作家です。(注 私は無宗教です)
宮本氏は短編「小旗」(「星々の悲しみ」所収)に、父親の死んだ時のことを書いてます。伸仁が今回14才ですから、この時点まであと6年余。
いよいよ終盤に向かっていくこの親子の今後の展開に目が離せません。
以前に80歳の老人から「自分の生きてるうちに続きを書いてくれと手紙をもらった」と宮本氏は語ってますが、
40を超えた私もそんな気になってきました(笑)
ましろのおと 5 特装版
私は三味線初心者で、まず知っているじょんがら節2曲を聴きました。…音が軽くて、物足りなさを感じました。確かに早弾きは凄いのですが、
この音でライブ会場にいる皆を唸らせることが出来るのか?疑問を抱いてしまいました。もっと強く太い音でのじょんがら節を聴きたかったです。イメージしてた雪が弾いてる音とかなり違いました。漫画は好きなのですが…すみません。
ましろのおと(4) (月刊マガジンコミックス)
1巻の頃はごちゃごちゃしてる感じでしたが、この巻では明確な目標もできて皆で頑張る王道スポ根物になっています
ただ三味線というテーマ自体が他人にはわかりづらく、とても難しいんだと思います
現時点でしゃにむにGOより面白いかと聞かれると・・・うーん
話の組み立て方とか細かいエピソードなんかは面白いのでちょっと勿体無い感じがします
シフクノオト
このアルバムの特徴として、まず楽曲の多様性が挙げられる。「言わせてみてぇもんだ」は最近のミスチルが気張らずに出せるミスチルのロックの最良の形だと思う。「PADDLE」も、近年のミスチルに多い、疾走感のあるポップでは最も出来がよい曲。そして気持ちのよい気持ち悪さを持った「PINK」「血の管」の二曲も素晴らしい。エスニックな雰囲気さえ漂わせる名曲「掌」もある。また、アルバム中ベストなのが、独特の浮遊感をもった迷曲「天頂バス」。このように、桜井本人が「コミックス」と言ってしまう程のヴァラエティとクオリティを持った、一筋縄ではいかない曲が揃っている。そしてメッセージソング「タガタメ」とヒット曲「HERO」という、下手すればアルバムのイメージを勝手に作りかねないやっかいな二大バラードがあるにも関わらず、いびつでありながらバランスが良い、不思議な配列により、スリリングで後味の良い仕上がりとなっている。こんな絶妙なバランスを保ったアルバムを作れるのはミスターチルドレン以外にいないでしょう。とにかく傑作。
ライチ☆光クラブ (f×COMICS)
ライチ光クラブを読んだ時の衝撃は今でも忘れはしません。
最初は絵に惹かれ買ってみたのですが、内容の素晴らしさに驚きました。
少年達とライチと少女の
死の美、純粋な性、儚さの酷が巧いこと混じり合っています。
ぜひライチ光クラブ独特の世界を、いまこれを読んでいるあなたにも味わって頂たい。