牛肉と馬鈴薯・酒中日記 (新潮文庫 (く-1-2))
この本には、「牛肉と馬鈴著・酒中日記」の他にも、たくさんの独歩の作品を味わうことが出来ます。そして、その物語のほとんどが、あまり明るいものではありません。だけど、読後感は何だかサラリとしています。きっとそれは、国木田独歩という人が、澄んだ眼差しを持っていたからじゃないのかな、と、国木田独歩のことなんて何も知らないのにそんなことを感じてしまう不思議な本です。
武蔵野 (新潮文庫)
この本のどこに惹かれたのだろうか。良く分からないのですが、学生時代に自分が住んでいた木枯らしの吹き抜ける音が良く聞こえる部屋で読んだ、この本が何とも言えない郷愁をもたらしてくれるのです。気がつくと自分の中にとけ込んでいる武蔵野という言葉の響きに酔いしれる感じでしょうか。冬の殺伐とした空気の流れが感じられる部屋で読んでみてはどうでしょうか。