ターニング・ポイント〈1〉ファイヤーストーム 神秘の光
ある日突然ジャックは父に車に乗せられました。父は猛スピードで車を走らせますが敵から逃げ切れず、何がなんだか分からないままジャックは一人で逃げることに。そしてたどり着いたのはニューヨーク。そこでテレパシーで話をする犬を仲間にしたかと思えば、途中の小屋で置き去りにされ、今度は代わって忍者のような女性が仲間になりました。
正体不明の敵から逃げながらも、一時的に仲間となった味方から少しずつ真実を知らされます。今まで実の親だと思っていた両親が本当の親ではないこと、自分も敵も味方もみんな1000年後の未来からやって来たこと、未来の地球は環境破壊が進み死の世界になっていること、ターニング・ポイント(やり直せば未来が変えられるギリギリの地点)が現代であること、ファイアーストーム(武器かアイテムらしきもの)がこの時代にありジャックしか見つけられないことなど。
10代後半の男の子の口調で書かれているのでテンポよく読めますが、ストーリーの基本は環境破壊に対する警告です。動植物が死に絶え、水が汚染された未来を変えるためにという設定はありきたりですが、地球を守るためには今しかないという作者の強い訴えが感じられます。
若い読者に環境破壊を考えてもらうために、あえて作者は共感しやすい10代後半の男の子を主人公にして軽いタッチで書いたのかもしれません。ここまで環境保護を主張するアドベンチャーも珍しいのではないでしょうか。
ソニック・ファイアストーム
衝撃のデビューから早くも2作目。出来映えはから言ってしまえば取り敢えずは前作を凌駕したと言っていいだろう。しかしだ、この作品を全体で見てしまえば全てが同じ曲に聞こえてしまって仕方が無い。それは前作から引き続いているこのバンドの悪い点でもあるイントロの弱さである。
やはりメタルの醍醐味と言えばイントロであろう。かのBLACK SABBATHの代表曲「PARANOID」などはイントロのギターリフを聞いただけで誰の曲でどういった内容の曲なのかさえ分かってしまう、そのくらいメタルの世界ではイントロは重要な役割を持っている。そこえ来てこのバンドはイントロはほぼ同じ展開である為にどうしても耳に残らない曲ばかりなのだ。BLACK SABBATHと比べるのはどうかともいえるが、これだけの技量を持ったバンドだからこそどれか1曲でも耳に残るような曲を作って欲しいものだ。
しかし前作を凌駕したいい点としてはメロディックでスピーディなのは前回と変わらないのだが、大きく違った点が1点ある。それはダイナミックに曲調を変化させた点だ。1作目ではほとんど見られなかった事だが、もし今作を前作と同じ曲調で進行していたら自分だったら1回聞いてすぐ売ってしまっただろう。しかしこのバンドはしっかりと試行錯誤を重ねていることが良く分かる所でもあった。あとは印象的なイントロを作り上げさえすれば大化けの予感大だ。次回作に期待大!