あるマンガ家の自伝 桜三月散歩道
■著者はトキワ荘メンバーの一人で今74歳。赤塚不二夫を長年支え、自身もパロディ漫画で熱狂的なファンを持つ。幅広い好奇心をバネに、マンガ界はもちろんのこと、柴野拓美や星新一や筒井康隆等SF作家、詩人、山下洋輔や坂田明等ジャズ奏者、タモリ、井上陽水、佐々木守等との驚異の交友関係が綴られる。これはもはや長谷邦夫による戦後文化史だ。01年3月の北島町創世ホール講演会(四国徳島)のことも詳しく語られているぞ。
マンガ編集者狂笑録 (水声文庫)
週刊少年チャンピオンの黄金時代を築いた伝説の編集長、壁村耐三氏の暴虐伝説をいろいろと拾っている間にたどり着いた本です。
手塚治虫を殴ったなどの伝説の部分は、類書とかぶっていて特に新味はなかったです。
この点では期待はずれだったのですが、他の編集者、特に戦後すぐのごたごた状況でのマンガの盛り上がりを感じられる部分には、予測しなかったわくわくを味わえることが出来ました。
氷の世界
このCDは、井上陽水のサードアルバムで
す。シングル「夢の中へ」をリリースし、大
ヒットを受けてのアルバム。当時では珍しい
ロンドンレコーディングが行われた作品です。
この作品は日本レコード史上空前の大ヒット
となり1973年12月17日付でオリコン
1位を獲得してからというものの113週間、
2年3ヶ月もの間オリコントップ10内にラ
ンクインし続け、135万枚以上の(当時)
売り上げた作品です。
『氷の世界』は、「氷の世界」、「心もよ
う」、「帰れない二人」などが収録されてい
ます。
漫画の構造学!―マンガ・まんが・漫画・劇画・万画・コミック・ポンチ絵「分析ノート」
■長谷邦夫(ながたに・くにお)さんは、かつて『COM』や『ヤングコミック』でパロディ漫画を発表し、根強いファンを持つ漫画家だ。
■本書は、「漫画学」の教科書である。あとがきによると本書の由来は次のようなものだ。長谷さんは、大垣女子短期大学、椙山女学園大学などで「漫画学」の講師をしておられるのだが、氏が初めて大垣女子短大からの依頼で98年4月から講義をするにあたり、教科書として適当な書物を探したが、今のわが国にそういう本はなかった。それで、自ら詳細なノートを作って、授業に臨むことになった。それをまとめたのが本書というわけだ。
■漫画の歴史や、コマ割り、登場人物の表情などの表現方法に至るまで、実作者ならではの視点と分析、語り口が絶妙である。
■長谷さん!は90年代半ばに、データハウスから『ニッポン漫画家名鑑』(94年3月)、『ニッポン名作漫画名鑑』(95年2月)、『ニッポン漫画雑誌名鑑』(95年6月)という三部作を出版しておられるが、それらを企画編集したのが田中立美さんという編集者だった。本書の版元・インデックス出版はその田中氏のおこされた出版社なのだ。すべての長谷ファンは、『パロディ漫画大全』(水声社)と共にぜひ本書もお読みいただきたい。
パロディ漫画大全
赤塚不二夫びいきだった私にとって、長谷邦夫はフジオ・プロの異端児として子どもの頃から気になっていた。間違いなく「ねじ式」よりも先に読んだ「バカ式」が冒頭にあり、懐かしい。彼は当時、赤塚から「絵は下手クソ」と明言されていたが、現代の低い水準からみるとさほどの欠点とはいえず、むしろ問題はプロット構成にある。すなわち、引用の元を知らなければ、さほど面白い作品群ではない。この大冊を楽しむには60年代の風俗やら、もちろん原典マンガやらの知識が必要であり、今や残念ながらマニア向けの本でしかないといえる。でも復刻されてよかった!