『地獄の黙示録』完全ガイド
映画「地獄の黙示録」のガイドブック的書物ですが、映画そのものは恐ろしく長い超大作と言う触れ込みに脅威を感じて、いまだみておりません。原作書物とも言うべきだろう「闇の奥」は少し前に読みましたが、いささか分かりにくかったところが出てきました。ただ映画の予備知識が足りなかったとは言うものの、ベトナム戦争を描いた超大作と言う触れ込みの「地獄の黙示録」の物々しい雰囲気は充分に感じ取ることが出来ました。辞書形式となっておりますが、それだけ映画の背景がわかりやすくまとまられてすっきりと読みやすく、事前の辞書形式での分厚い書物かもしれないと言う恐れはその分かりやすいまとめ方に読みやすさに楽観できました。でもハリウッドの偉い超大作でもしかしたら安易で分かりやすい映画かもしれないとの思い込みは読んでいて、とんでもないベトナム戦争の壮大な雰囲気を背景にした撮影もこんなことがあったのだと背景に圧倒されるとともに撮影の背景も本当に凄いと感じ入るばかりで成る程と頷かざるをえませんでした。読んでいた当時は分かりにくかった原作的書物「闇の奥」も映画の中のせりふとの比較の解説で大体こんな書物だったんだと其の解説がわかりやすく、「闇の奥」の中身も大体においてこんな感じの書物だったんだと理解することが出来ました。ただハリウッド的分かりやすい超大作と安易に背景も理解できると、思っていたら其の解説本の到底理解不能なそのカーツの蔵書「金枝編」とか「漁夫王」とか難解な文学の書物がでてくるわで頭が大破しそうで、一筋縄では背景は理解し得ないとんでもない映画だということにただただ驚くばかりです。映画をみていないので2時間強とか5時間版の様々な編集の仕方の映画「地獄の黙示録」が存在すると言っても今ひとつ分かり辛いですが、えらい映画かもしれないということは分かりました。今度の特別完全版もそんな思いで見るときは見るかもしれません。
黙示録
マイケルの泣きのギターとグラハムの脳血管ブチ切れまくりシャウトの奇跡の融合が聴ける
唯一のアルバムであり、かつグラハムのベストアルバムでしょう。
更なるプラスを求めるとしたら、マイケルにレインボー時代の旧友グラハムを紹介した
コージー自身がこのバンドを去る前にドラムを叩いてくれていたこと。
もしそうであったなら、このアルバムは間違いなく奇跡の名盤になっていたでしょう。
地獄の黙示録(特別完全版)
初公開当時の現在は廃盤になっているサントラと比べ
デジタルリマスタリングを施されているので
音が非常にクリア!!
しかも、今回はプランテーションのシーンの
音楽も追加されています。
しかし、初公開版のサントラは2枚組みでボリュームがあり
ワルキューレの騎行には戦闘シーンの音が
そのまま入っており臨場感が楽しめました。
その点がなくなってしまっていて残念・・・
そのため4点です。
ですが、純粋にサントラを聞きたい方にはお勧めですよ!!
闇の奥 (岩波文庫 赤 248-1)
二十世紀直前のアフリカ、ベルギー領コンゴ。雇われ船員のマーロウはある交易会社に依頼されて、コンゴ奥地で消息を絶った腕利きの現地支配人クルツの探索に向かうが・・・・。
戦争映画『地獄の黙示録』の元ネタになった小説で、コッポラの映画同様、まったく奇妙で脈絡がなく、ただただ粘りつくような「恐怖」の感覚だけが迫る怪作です。
これはヨーロッパの帝国主義のひとつの寓話として読めます。ヨーロッパ帝国主義が体現していた意義や道徳=現地支配人クルツと読み替えて、その帝国主義の崇高な道徳の使者だったはずのクルツがアフリカの奥地でどのような狂気に侵されていったか。著者のコンラッドは実際に船乗りとしてコンゴへ行ったことがあり、そのとき帝国主義の現実に直面した体験がこの小説を書かせたそうです。また、本書全篇にただようある種の崩壊感は、世紀末の一ヨーロッパ人としてコンラッドが感じた深刻な何かだったのかもしれません。
ま、帝国主義に何らかの道徳だの意義があったと(ご当人らはかなり本気で)信じ込んでいたヨーロッパ人が、そんなものはなかったと気づいたときの自己愛的なショックだ、と言えばそうなんですが。日本も帝国主義の経験があるので、我らが祖先がアジアの植民地支配の現場で何を考えていたか、というのも興味はあります。