〈映画の見方〉がわかる本80年代アメリカ映画カルトムービー篇 ブレードランナーの未来世紀 (映画秘宝コレクション)
「ファビュラス・バーカー・ボーイズの映画欠席裁判」等で映画に関する博覧強記ぶりを見せてくれた著者の最新刊。
70年代、アメリカ映画はひりつくような現実世界を観客にするどく突きつけてみせる表現手段でした。しかし80年代にはレーガン保守政権が登場。それと軌を一にしてハリウッドは無邪気な夢工場へと回帰します。まさにその時代にメインストリームからは弾き出された映画作家たち8人を取り上げ、80年代を象徴するそれぞれの代表作を腑分けし、時代と対峙した彼らの作家性を提示してみせるのが本書です。
取り上げられているのは:
クローネンバーグ「ビデオドローム」
ダンテ「グレムリン」
キャメロン「ターミネーター」
ギリアム「未来世紀ブラジル」
ストーン「プラトーン」
リンチ「ブルーベルベット」
ヴァーホーヴェン「ロボコップ」
スコット「ブレードランナー」
本書「ブレードランナーの未来世紀」は単なる映画感想文集の類いではありません。トリビアの寄せ集めでも、製作秘話集でもありません。監督への直接インタビューによる高い一次情報と豊富な知識に裏打ちされた深い洞察の書といえます。
取り上げられた映画作家たちがつきつけるのは保守時代のうさん臭さです。80年代アメリカを彩るのは敬虔な信仰心、中絶や離婚を受け入れない家族主義、そして反共産主義。これらに基づく時代に敢然と矢を放つ彼らの描く世界は、どれも悪夢と幻想に彩られたものばかり。アウトサイダーとして同時代人に受け入れられることはなかなか叶わない場合も珍しくありません。
私自身20代を無自覚に送ったあの80代。本書が取り上げる映画のいくつかには当時から抑えがたい興奮を覚えたものもあれば、いまもって受け入れがたい気分をぬぐえない作品もあります。しかし本書によってあの時代の一側面を「読み直す」作業は大変有意義で、知的興奮を得られる体験でした。
どこかで聴いたクラシック クラシック・ベスト101
CD6枚入りでこの価格は安いと思い買ってみたのですが
あまり良くなかったです。
クラシックの入門にはうってつけだと思うのですがやはり
クラシックを本格的に聞きたいという方にはちょっと物足りないと
思います。
私的にはベートーヴェンの交響曲第9番の最後の合唱の部分の
一番の山場の前で終わってしまっていたり、英雄ポロネーズの
ピアノが少し弱く感じたりその他の曲もちょっとしぼんでいたりと
残念でした。
本格的にという方にはやはり1人の作曲家をピックアップしたCD
を買われるのがおすすめです。
2001年宇宙の旅
映画本編は観ていません。現代音楽やクラシックを集めたこの映画の音楽は、現代音楽やクラシックのオムニバスアルバムみたいで完成度が高いです。『ツァラトゥストラはかく語りき』は2・8・10曲目に、『美しく青きドナウ』は4・9曲目に収録されていますが、何で重複しているの?13曲目『HAL9000の反乱(ダイアローグ)』は、映画本編のシーンから抜粋したであろうトラック。
3001年終局への旅 (ハヤカワ文庫SF)
2000年前後に、3000年に至る
物語を考えていたクラーク氏の世界には、
驚愕するものがある。
人は、100万年先のことも空想できる。
但し、まったく違う世界だろう?
太陽系だけでも生命体が何種類も
生息していることが、フィクションを越えてありうる。
神様は無駄な物は、創作されない。
すべては、今世紀中に、ある程度、証明されると思います。
エルヴィス・イン・ニューヨーク
1972年9月10日の実況録音盤です。72年は、全米でのコンサートツアーを敢行した年で、その集大成としてNYマディソンスクエアーガーデンで、7万8千人の観客を集めた記念すべきコンサートを行った時のものです。曲目やコンサートの演出も、ほぼ完成され、オープニング序曲が壮大な雰囲気を醸し出し、ゴージャスな衣装と叩き込むようなボーカルなどキング・オブ・ロックンロールとの異名をとるに相応しい内容となっています。全米に向けたツアーを意識してか、曲が全体にアップテンポで、リードギターとドラムがスリリングにエルヴィスのボーカルを煽っているのが印象的です。
CDの裏の写真が、NY公演の時にエルヴィスが着ていた衣装だそうです。真っ白で、本当に綺麗な衣装です。