たまの映画 [DVD]
昨今の音楽メディアのことについても考えさせられた。
自分は、音楽番組などを見ていて、「何でこんな音楽性のないやつらが売れているのか…。」と歯がゆい思いをしたことがあるし、
アングラですごくいい音楽をやっている人たちを見ると「もっとメディアに露出できたらいいのに…。」と悔しく思ったこともある。
けれど、有名になることと引き換えに失われてしまうかもしれないこと、「余計なことばかりやっていた。」という言葉、
もしかしたら、本当に音楽をやっていきたい人は、今のメディアの環境で、ただめまぐるしく扱われ、自分らしさを見失うくらいなら、
アングラで自分の「やりたいことだけ」をやっていくほうがよっぽどいいのかもしれないと、この映画を見て思い知らされた。
ドキュメンタリー映画というものをはじめてみたので、ジャンルとしての良し悪しはわからないが、
映画としては、すばらしい一本であると思う。
たまの音楽と同じような魅力を持った作品だった。
出演者がたまのメンバーなんだからそれは当然なのかもしれないんだけど、
そういったこととはちょっと違う、
おおげさだけど何か普遍性みたいなものを感じてしまったのだ。
「やりたいことだけ」やるってどういうことなのか。
いまの世の中で、
自分のやりたいことを分かってて、
それに向かって「マイペースに」歩みを進めていけるひとがいったいどれくらいいるだろう。
淡々と。急がずに。野望を持たずに。
いま「たま」というバンドを100人中100人が知っているかといえば、
決してそうではない。
メディアに登場することもほとんどない。
でも彼らは歌い続けている。
その姿はときには地味であったり、
世間から忘れられてる存在のようにも見えるのかもしれないけれど、
でもわたしにはサイコーにかっこいいひとたちのように思えた。
確かに、いま再結成するわけでもなければ、
いまデビュー何周年というわけでもない。
けれどこの「いま」だからこそ、作ってほしい映画だった。
心からの感謝と拍手をお送りいたします。
たまの最期!! [DVD]
たま解散時のライブDVD!
本当に奇才の集まりだったなーとしみじみ感じました。
ゲストにライオン・メリイ氏飛び入りにワタナベイビー氏も登場。
マイペースなたまの三人に、最後の最後まで目が離せない!値段以上の濃い内容です。
たまの映画 DVD-BOX
「たまの映画」というタイトルを冠しながら、懐かしの映像も、レア・トラックも、一切登場しない。
というか、「たま」の映像自体が、一秒たりとも出てこない。
「たま」は過去のものとして語られるに過ぎない。
抉り出しも踏みこみも掘り下げもせず、今を生きる元「たま」の姿に、ただ淡々と無機物であるカメラが「寄り添う」。
本作のドキュメンタリーとしての特徴は、この点に尽きる。
ミュージシャンのドキュメンタリーとしてはかなり異質なので、この点に不満を持つ「たま」ファンは結構多いのではないかと思う。
しかし、ここにこそ本作の強いメッセージ性を読み取るべきだろう。
今、「自由に生きる」とは、何を得て、何を喪うことなのか。
「たま」は「自由」によって切り離された。しかし同時に「自由」によってどこか結びつきあっている。淡々と描かれるその姿から、「自由」の苦しみと温かみが静かに浮かび上がってくる。
そんな彼らの生き方を繋ぎ止める「東京」という場の描き方にも注目してほしい。
「たま」を描くというよりは、「たま」を通じて「生きること」を問う本作は、
むしろ「たま」なんか聞いたこともないような人にこそ、訴求力を持つのではないかと思う。
たま企画室にて予約販売をされていたので予約して手に入れました。
全27曲、「らんちう」「ロシヤのパン」「海にうつる月」「月を食べる」等の初期の名曲から、
「あるぴの」「鐘の歌」「ハダシの足音」といった「たま」を語る上ではずせない楽曲、
「丘の上」「箱の中の人」「汽車には誰も乗っていない」等のディープなナンバー、
「学校にまにあわない」「へっぽこぴー」「まちあわせ」といった迷曲に加え、
泥酔した飛び入りゲストの暴走ではじまる「さよなら人類」、
謎のグループ・モジャラーズの乱入、そして最期は石川さんがランニングを・・・。
もちろんMC、NG演奏、ハプニング、おまけ有りと大ボリューム。
このDVDは、他のバンドより良い悪いといった
比較が最期の最後まで出来なかった唯一無二のバンド「たま」の
19年間の良いも悪いもの総てを凝縮した最高傑作だと思います。
たまファンには文句無しにお勧めできるDVDです!
もし「たま」に興味が無いあなたが何かの偶然で
このページやDVDを見つけたなら是非手にとって見てください。
・・・というか、手に取れる内に手に入れてください。
(あの時買っておけば良かった・・・そんな後悔をする人々が数多くいるのも
未だに「たま」に惹かる人達が増え続けている証拠でもありますが)