ピアノ・ワン
まだ私がおねえにゃんだった頃、ピアノだけの曲はつまらない!!そう思っていました。
しかし、何気なくショップで手にしたこのアルバム、坂本龍一氏の名前に惹かれて買ったのですが、すっかりはまってしまいました。
このアルバムに参加しているどのアーティストもピアノというたった一つの楽器だけで心にシンクロする音を創っているのには本当に感動します。
一生懸命に生きることに疲れたとき、この音を一人聴きながら思いっきり涙を流すと気持ちが軽くなっていることに気付くはず。
Zinc
1983年リリース・・・エディジョブソンの、今となってはとても貴重なソロアルバム。アナログリリース時の初回は、グリーンビニール(透明な素材だったような)と言うこだわりでした。プロデュース・作詞・作曲・Vo・Vln・Keyと大活躍なアルバムで、エディファンであればたまらない仕上がりになっています・・・音の方はエレクトリックプログレッシヴロック(笑)と言う感じながら、彼のがんばっているボーカルがある分ポップですね。のべ500人のオーディションから選ばれたメンバーは、ニックモロック(G)・カーリーシャラフ(G)・ゲイリーグリーン(G)・マイケルクネオ(G)・アロンオリアーティック(B)・ジェリーワッツ(B)・マイケルバーシマント(Dr)・・・ほとんど、個人的に知らないセッションマン達(笑)。93年にこのフォーマットのONEWAYからリリース(今は無い!)された事はミラクルでしたが、同年日本盤が東芝EMIからリリースされた事はさらにミラクルでしたね・・・。こういうアルバムこそ、紙ジャケリイシューして欲しいよなあ・・・。
アルティメット・ゼロ・ツアー-ライヴ(Ultimate Zero Tour-Live)
このライブアルバムは2009年、John Wettonが参加し、UK30周年記念として催されたPoland公演を中心としてアメリカ、ロシアでのパフォーマンスを収録したもので、Eddieの言葉を借りればProgressive RockへのTributeの意味を持つものです。70年代プログレッシブロックの最後のヒーローであったUKの音楽的主導者、天才=Genius Eddie Jobson 率いるU−Z Projectの構想は、09年UKZ来日公演直後に六本木で公表され、そのわずか2ヵ月後に最初のライブパフォーマンスがアメリカ東海岸で催されました。この完璧な演奏は信じられないことですが、ニコロ・パガニーニのごとくライブが催される直前での短いリハーサルで調整したもの、つまり、それぞれの分野のハイテクミュージシャンにしかできない業を結集したものなのです。本アルバムでの選曲は参加ミュージシャンのJohn Wetton,Tony Levin,Trey Gunnの面々から、UKとKing Crimsonの作品を中心としています。JohnにとってもOne More Red NightmareやUKの複雑な楽曲は長らく自ら演奏し歌う機会がなかったのではないでしょうか。 クリムゾン本家において30年以上にわたって封印されていたエレクトリックバイオリンがフィーチャーされたそれらの楽曲は、ずばりオリジナルを上回る出来映えです!2010年のU-Z Projectの来日公演でも演奏された曲も多く含まれており、その記憶が鮮明に甦ります。
1979年、来日公演を元にリリースされたUKのライブアルバムNIGHT AFTER NIGHTは、ライブにおいてもプログレの真髄を体現していたUKを知るファンにとっては、選曲からCarrying No Cross,The Only Thing She Needs,そしてEddie,John, Terryのimprovisationがカットされ、ややポップな傾向の曲が前面にフィーチャーされたことから、編集に不満があったのは否めない事実でした。本作はちょうど、そのNIGHT AFTER NIGHTでカットされたそれらの重厚なプログレパフォーマンスが見事に収録されることとなりました。Marcoの忍者ドラミングのテクニックはすでに日本でも広範なファン層を形成し、Terryのドラミングを凌駕しています。(今年の来日公演でのMike Manginiとのダブルドラムスの掛け合いは今まで経験したドラムパフォーマンスで最高のものでした!)
そして、EddieのZero5は圧巻です。Poland公演では、ステージに設置されたpipe organでTHEME OF SECRETSの名作、Ice FestivalとTheme Of Secretsの序章まで見事に奏でて、続いてシンクラビアで創造した透き通ったクリスタルサウンドを響かせながら、きらめくピアノソロ、再度synclavierサウンドのTheme Of Secrets、Green AlbumのPreludeのピアノソロへと続いていくこの劇的な展開、実に美しい演奏です。
ラストは、UK時代に一度もライブ演奏されなかった名曲、Nevermoreのエンディングと、構成も本当に良く考え抜かれています。
本作を機にEddieが新たに立ち上げたNew Zealotsではすでに87年の未発表Album Theme Of Mysteryの楽曲の一部、Eddie アレンジによるBulgarian Women's ChoirのSilent Nightなども公開されており、今後も内容充実が非常に楽しみです。また日本にプログレに造詣が深いファンが多いことから3年連続して日本へ訪れる事となりました。11年1月にはPiano Oneの名作を含むsolo live event, Master Classがあります。
Eddie自身も本作を聴いた人たちの感想、リアクションをかなり期待しています。Eddie Jobson ForumやFacebook などを通じてレスポンドされることをお薦めします。
音質について
一つの方法として、タイムドメインライトとサブウーファーを同時につなげて聞くと、音の歪みやこもりが全然なくなり、音質の点もよく考え抜かれたレコーディングだとわかります。
Yamahaのサテライトスピーカーとサブウーファーの組み合わせでも試しましたが、音質は遜色ありません。それどころかKing CrimsonのGreat Deceiverの4枚組CDと比べましたが、それよりも迫力と臨場感のある音源だと思いました。