タクシードライバー コレクターズ・エディション [DVD]
本作は全てのダメ人間に奉げられている。自分はダメ人間でない、と思っている人は見る必要は無い。恋愛が上手くいかなかったり、仕事がダメだったり、勉強ができなかったり、世の中を上手く渡る自信がなかったり、そんな人間(自分も)は必見です。トラビスは初めてのデートでポルノ映画に行っちゃうくらい、ダメな人間です。涙なくては見れません。そんなダメ人間が世の中に銃を向けていくのです。自分の解決しようにも、どうしようもない苛立ちや苦悩をトラビスは一人の少女を助ける(思い込み)で解決しようとしたのです。勝手にです。
そして彼は自分の苦悩を解決することができたのでしょうか。きっと出来たのだと私は思う。象徴的なラストシーン。タクシーの中でのトラビスの態度。そこにダメ人間達の理想像が表れています。そんなトラビスを観てダメ人間達は頑張るのです。いつまでもモヒカン頭で僕たちを励ましてくれるのです。
タクシードライバー―最後の叛逆 (幻冬舎アウトロー文庫)
作者の梁石日氏がタクシードライバーをしていた事は有名ですが、そんな中でタクシー時代や私用で車を運転する際の交通警察の理不尽さ、防衛テクニックなどが詳細に書かれています。
作者が飲酒運転と事故の因果関係を否定する箇所もありますが、あくまでも20年程前に書かれた文章が中心ですので、そこを了承して読んでいただきたいです。「この作家は飲酒運転を肯定している」と憤る方がいるかも知れませんが、この時代は飲酒運転に対しては全体的に寛容な部分もありましたし、また同時に、なぜ未だに警官を含む公務員の飲酒運転がなくならないのかという点を一考させてくれる書でもあると思います。
言うまでも無く、飲酒運転は許されるものではありません。
映画の見方がわかる本―『2001年宇宙の旅』から『未知との遭遇』まで (映画秘宝COLLECTION)
1967〜79年にかけて制作・発表された,12本のハリウッド映画を中心に論じた映画評。なぜこれらの作品をチョイスしたのかは「はじめに」で説明されている。いずれの作品も,映画ファンならずとも見たことがある(少なくともタイトルは),超有名作品ばかりである。
立川志らくなどは公言しているが,映画の評論というのはしばしば評論家自身の「感想」に終始している。読む人がいる以上,これが悪いということにはならないと思うが,この場合,評論家とただの観客を分かつのは,映画の解釈の巧拙という一点である。
しかし,本書の立場はそうではない。「絵画の研究がスケッチや習作,X線で見える描き直しの跡を調査するように,シナリオの草稿や企画書,関係者のインタビュー,当時の雑誌記事などに当たって裏付けを取」るという方法論で,本書は書かれている(巻末に文献・資料の一覧がある)。つまり,評論家とは,観客に対して映画を見る際のガイドラインを提示する立場にある。評論家と観客は,次元の違う場所にいるわけだ。
というわけで,本書は,私のような映画の初心者にもおすすめできる本である。難解といわれる映画も紹介されているが,奇をてらった「解釈」ではなく,映画を読み解くための背景が丁寧に説明されていて,むしろ読みやすく分かりやすい。一度見た映画はもう一度,敬遠していた映画は思い直して,「見てみようかな」と思わせる書きぶりだ。映画の中級者・上級者の方々が,本書に対していかなる評価を下すのかはよく分からない。が,30年も前のしかもメジャーな作品を,あらためて「解説」してみせるのには,相当の力量が要求されるに違いない。本書の初版は2002年だが,私が先日買ったのは,2011年6月のなんと第16刷である。
いずれにせよ,映画を見る際の参考になるのは確かである。詳しく紹介されているのは以下の12本(本書の順序による)。
2001年宇宙の旅/俺たちに明日はない/卒業/イージー・ライダー/猿の惑星/フレンチ・コネクション/ダーティーハリー/時計じかけのオレンジ/地獄の黙示録/タクシードライバー/ロッキー/未知との遭遇
タクシードライバー 製作35周年記念 HDデジタル・リマスター版 ブルーレイ・コレクターズ・エディション 【初回生産限定】 [Blu-ray]
本商品はここamazonジャパンにて注文・購入し、ちゃんと1回通して鑑賞したので、レビューは必ず載せていただきたい。
本作の脚本はすでに70年代初頭に完成していたという。脚本を書いたポール・シュレーダーは日本映画の研究家で『ザ・ヤクザ』の脚本も書いているレナード・シュレーダーの弟。本作公開の数年後には自身で監督した『ハードコアの夜』も書いている。AV組織に売られた娘を捜す父親が最後に組織に殴り込みをかけるくだりは、本作同様に日本の任侠映画からの影響が濃厚である。
それで、その肝腎の本作のクライマックスの銃撃戦場面。
画調が急に荒々しくなる、というアイデアは間違いなく、内田吐夢監督の『人生劇場・飛車角と吉良常』からの拝借だろう(この内田作品では画調が荒々しくなるだけでなくモノクロになってしまうのだが)が、その肝腎の画調が、今回のハイデフ化でもオリジナルのものが復活していないのが誠に残念である。
ロードショー公開時に見たときの印象は、ここの場面は本ブルーレイ商品のように色調が薄くなるのではなく、むしろギトギトとしたどぎつい感じの画面になる、という印象を持っていた。本商品はこれまでのLD、通常DVDと何ら変わりない、暗部階調性が失せたのっぺりした印象のままである。
その印象が間違っていないことは、どこかのインタビューでスコセッシ自身が語っていたことがあるので間違いないと思う。特殊な処理を施したこの場面は、すでにマスターポジが現存していないため、オリジナルの画調を再現することが不可能である、というようなことを本人が語っていたのを覚えている。
しかし現代のデジタル修復技術を使えば、それは再現可能のはずなのに、そこまで手の込んだことは本ハイデフ化では行われなかったと見える。その証拠に、ハイデフで新しく加えられたメイキングなどの映像も本商品には一切、入っていない。
値段が高い割には、際どいところで手抜きをした商品、という判断を下させていただく。
とっておき京都―NO.1ハイヤードライバーがこっそり教えます (祥伝社黄金文庫)
新婚旅行で京都を回りました。
その後振り返りで購入した一冊。正直ベースで、この本を買っておけばよかったです。
京都の基礎知識を体得するための一冊としてお勧めです。