Declaration of Dependence
寡作なキングス・オブ・コンビニエンスの2009年、3作目。なんと前作から6年のインターバルを置いて発表された。しかし、内容は全くブレのない、まさにキングス・オブ・コンビニエンスなオーガニックで洗練されたアコースティック・サウンドが時間の流れなど無関係かのごとく鳴り渡る。これまでの作品の中でも、最もリラックスしている余裕の大人のサウンドが、ひたすら心地よく響く。新作に新機軸がないというのが、マイナスではないことを証明しているような一枚だ。彼らの特徴は、ボサノヴァやジャズなどさまざまな音楽を取り込みつつも、北欧ジャズにも通じるひんやりとした空気感を生み出せている点だと思う。そこが他のネオアコ系の音と大きく違う点でもある。
Riot on an Empty Street
コーネリアスのリミックスを手がけたり、
アーランド・オイエのエレクトリックなソロ活動などで
アコースティック・エレクトロニカな作品になるのではと
密かに思っていたが、
徹底的にアコースティックなセカンドアルバムとなった。
アコギとボーカル・ハーモニーをベーシックに
生音の音感にこだわったサウンドは
シンプルに削ぎ落とされて、新鮮。
サイモン&ガーファンクルほどキャッチーでなく、
ネオアコほど疾走しない、
静かなる大人のアコースティック!
音の隙間に漂う、
心地よい緊張感が素晴らしい。
ノルウェーの傑出したデュオによる
穏やかにしてディープな
スタンダード作品だ。