鴨川ホルモー (角川文庫)
【鴨川ホルモー】ホルモンじゃなくて、ホルモーが青春だ
「ホルモン」ではなく、「ホルモー」。
この小説を手に取ったら、たぶん、頭の中で確認してしまうだろう。
この「ホルモー」という響き。何のことだろう?と興味をひかれる。
「ホルモー」とは、「オニ」を使って戦う競技のことだ。
舞台は、京都。
京都大学に入学したばかりの俺、「安倍」が主人公。
いきなり、怪しげなサークルに勧誘され、「オニ」の使い方を伝授されていく。
そして、京都にある大学対抗競技「ホルモー」に参戦することになる。
「ホルモー」は団体競技。大学、サークル、団体競技とくれば、メンバー同士の人間関係、恋愛がミソになる。
「オニ」の使い方を伝授されていく過程は、「オニ」の存在が浮いている感じがして、「マンガみたいだなぁ」という印象が強かった。
しかし、サークルのメンバー同士の人間関係、恋愛模様が色濃く描かれだす後半部分は、「オニ」について、「まあ、こういう存在があってもいいかぁ」と思えてきた。
青春の思い出となるような出会い、出来事。誰にでも似たような経験があるだろう。
そこに「オニ」を使った「ホルモー」を、スパイスに使っている。
大学卒業から時間が経っている人は、読み終わった後に、懐かしく、爽やかな気持ちになれる。
鹿男あをによし DVD-BOX ディレクターズカット完全版
ドラマも見ていたし、録画もしていましたが、映像特典などを楽しみにして購入しました。
DVD−BOXは正直、期待以上のものでした。ブック型におさめられているDVDはドラマで重要な役割を果たすものがデザインされていて、しかも6枚目のDVDを取り出すとそこには・・・・思わずくすっとしてしまうような仕掛け。コメンタリーもすごく楽しくて、このドラマにかかわった全ての人が、このドラマを愛して楽しんでいたのだなと感じられます。
個人的には、いろいろ考えることがありました。たとえば玉木さん演じる「小川先生」と綾瀬さん演じる「藤原くん」の不運つづきの人生に対する感受性の対比の面白さ。それがどっちもありなんだなって感じられるところ。これからも見るたびいろいろいろな感想が浮かびそうです。手にして良かったと心から思うことができるDVDでした。
かのこちゃんとマドレーヌ夫人 (ちくまプリマー新書)
ちくまプリマー新書ということで、読者の対象としては、中高生といった感じなんだけど、大人が読むにも耐える少女(かのこちゃん)と少女の飼猫(マドレーヌ夫人)を主人公としたファンタジー。
この話は、二つの物語で構成される。一つは、小学五年生のかのこちゃんの「刎頸の友」であるすずちゃんとの交流。そしてもう一つはマドレーヌ夫人とその夫である犬との愛情物語。
それが、上手にエンディングに向かって一つの物語になっていくところは、うまいなぁって感じる。
最後の結末なんて泣けて泣けてしょうがなかった。ネコ好きの私には忘れられない小説になりそうだ。
とても良かった。
ザ・万遊記 (集英社文庫)
以前「鹿男」を楽しく読ませてもらった記憶があったので、「あんな面白いストーリーが書ける作家はきっとエッセーも抜群に面白いに違いない!」とこの本を手に取りました。
私自身スポーツには疎いので万城目さんのサッカー観戦記にはあまり面白みを感じませんでしたが、あの渡辺篤史の建物探訪への敬愛っぷりには終始ウンウンと頷き共感しまくり!
他関西人ならば必ず共感するであろう「呪いのチャンネル」や「東の年越し」話も面白かった。
プリンセス トヨトミ DVDプレミアム・エディション [DVD]
原作を読んで、映画を観ました。『何でや!ここ変えるかあ!』となるくらいショックでした。おいしいシーンもかなりカットされてるし、、まあすべて伝えると時間がもっといるかなあ、、、
けれど、中井さんと堤さんが対峙する最後の府庁前のシーンが全てです。最高です、音楽も良かった。エキストラ(私もどこかに)の皆さんの眼差しもまたいい。これから観るたびに感動させて頂けると大甘得点にしてしまいました。
亡き父に読んで欲しかった、息子はなかなか読んでくれず、妻と娘がいつの間にか読んでるという、この物語にリンクして、クスっと笑ってしまいました。息子とはこのDVDを一緒に観ようと思います。
特典DVDはいいです。ああそうか、といっぱい思わせてくれます。オッサンにはオススメの一本でした。
中井さん、堤さん、坂本監督、ありがとうございました。