北の零年 特別限定版 [DVD]
逆境にあってなお生きること、愛すること、信じることにひたむきな人間たちのドラマ。大画面にふさわしい、日本映画久々の大作感のある作品に仕上がってました。場面の転換には新鮮なものがあったし、3時間近い長尺も飽きさせず、行定勲監督はいい仕事をしたと思います。ただし、もろ手をあげて大絶賛できる映画とまではいかない。
映画の前半は登場人物も魅力的でワクワクするような物語になってはいるが、実力者をめぐる登場人物の立場がいつの間にか変わっていたり、台詞に頼るシーンが多いし、時間経過もわかりにくく、脚本としておかしな個所が目に付く。ヒロインが牧場を始めた後半のテンポが悪いし、無理矢理終らせちゃったような唐突さを感じる。まあ、吉永小百合ありきの作品で、過酷な運命と闘う強靱な精神を持ちつつ、同時に愛する夫をひたすら待ち続けるというヒロイン像を際立たせるという意味では成功していると言ってもいい。
大自然を引きで撮ったシーンも素晴らしかったが、「夢」がどんどん破れ、理想に燃えていたはずの小松原さえもが、村を捨てる。そのことを決定的に印象づけるシーンで、突然、「ええじゃないか」と人々が踊り狂うシーン。史実では、トノサマバッタだったようですが、イナゴの大群(このCGの使い方はよかった)が押し寄せるシーン。終盤、ヒロインらが育てた馬が明治政府の命令で徴用されそうになったとき、20頭の馬たちが一斉に飛び出していくシーン。等々、印象的なシーンも多かった。
孤高の人 1 (ヤングジャンプコミックス)
文化庁メディア芸術祭でも話題で、
気になったので、ほぼ勢いで購入。
最初は、遭難や救助など山の厳しさを共に分かち合う、
大自然のネイチャー話かと思いましたが、
実際は、もっと身近な漫画でした。
スポーツとしてのフリークライミングをモチーフに、
かつ、それを学校の部活動として取り扱っています。
特に学園モノの部分では「入りやすさ」を感じ、
クライミングに関して素人である読者を、
自然に引き込む見せ方が良い。
最近の漫画の展開としては丁寧で、
スローなテンポであるが故に、
その画力もともなって、
読みやすい設定に仕上げているなぁという印象。
確かに、切り口こそ「クライミング」であって、
その他の要素は、今までの漫画ではお約束の事も多いです。
クールで孤立する主人公、歩み寄るヒロイン、意地をはるライバル…。
それでも、読者が引き込まれるのは、
その主人公の、謎に包まれた生い立ち、能力、本音など、
絶妙のタイミングでカットバックさせる点にあり、
これが良いテンポになっているような気がします。
もちろん、これを読む限りでは、
まだ、やっと何かが始まったぞ!という巻ですが、
物語の滑り出しとしては上々。
続きを欲する部分はあったと思います。
特に最近は、巨人、神様、宇宙人とか、
やたらエログロで、カオスな舞台の漫画が多いです。
まぁ別にそれが悪いというわけでは無いのですが、
それにしても、良い意味で王道の青春漫画という感じで、
久しぶりにポジティブな気分に浸れるスポ魂が出てきたな?
と嬉しく思いました。
こういう漫画なら、授業中に読んでいても、
たぶん怒られない様な気がします。
ヤンジャン連載ってのも個人的には意外で良かったです。
孤高の人 4 (ヤングジャンプコミックス)
まとめて4巻まで読むと、ロックが落ちてきて避けようがなく
激突した大西先生的Shockを受けます。
主人公の森君を筆頭に、かつての同級生がみんな不幸になってます。
森のライバルになると思われた宮本はどこかに消え、夕実はかつての
面影はなく、ただのビッチになり果ててます。
作者が何をしたいのかワケが分かりません。
だが、なぜがシュールで面白いのです。
作画の坂本先生は、ひょっとして実験的超シュールギャグ漫画を
やろうとしているのかッ
孤高の人 16 (ヤングジャンプコミックス)
表紙は今までで一番いい色をしています。個人的に好きです。
今回は建村が死んだ後も文太郎はまたアタックをすることになるという展開。
「頂上へのアタックは、今日の日没後開始する。」
その時の文太郎の眼は再び登山家の眼に戻り、K2への執念がまたにじみだしていました。
しかしまた迷いが生じます。
最終的に文太郎は途中で山を降りるそうです。
ラストをどういう風にするか、最終話が楽しみです。
がんばっていただきたい
孤高の人 11 (ヤングジャンプコミックス)
今回の11巻は表現力がすさまじいです。
人間の心の奥の芯をえぐりとられるかのような坂本先生の描写に
ただただ圧倒されます。
それだけではありません。
なんとあの森文太郎が改名されています!
なるほど・・・こうきたか・・・・と思わされるほどのこの巻のシメでした。
ますます続きが気になる「孤高の人」
文太郎の活躍に今後も期待が高まります。